postpunk tea saloon ポストパンク・ティー・サルーン
2010.05.12 Wednesday | category:BOOK/BOOKSTORE

'70〜'80年代にアメリカ、イギリスを中心に起こった postpunk についての集大成本、『ポストパンク・ジェネレーション 1978-1984』の発売を(勝手に)記念して、「路地と人」は期間限定「ポストパンクの部屋」になります。というわけで。急遽ポストパンク本刊行記念イベント? 展示? 図書室? が組織されてしまいました。会場の「路地と人」は神保町駅から徒歩3分、4人の方々が共同運営するスペースです。みなさんそれぞれ異なるやりかたでアートに関わっています。
参考文献の展示(もちろん閲覧可)に加え、翻訳者のひとりである野中モモさんが店主をつとめるネット書店「 Lilmag store」が出張。ポストパンク的感性のZINE(自主制作冊子)やグッズを展示販売します。
また、15日にpostpunkクイズ大会(参加者には何らかのプレゼントを予定)、16日には持ち寄りpostpunk パーティを開催します!
お茶を飲みながら、さまざまな角度からpostpunk に迫る5日間、
午後のひととき、ティー・サルーンへぜひどうぞ。
(以上、路地と人のサイトより)
「ティー・サルーン」なのは、私がドラッグやらない煙草吸わない、お酒も少ししか飲めないけど確実にカフェイン中毒だから、と言っておきましょうか。
みなさまが今週、神保町に遊びに行く口実のひとつになれたらいいなー、なんて……。
『postpunk tea saloon ポストパンク・ティー・サルーン』本についてはまた改めて。 Lilmagでも販売予定です。
日時:5月12日(水)-16日(日)15:00〜21:00
会場:路地と人 東京都千代田区神田神保町1-14 英光ビル2F
・15日参加型ポストパンク・クイズ大会 18:00くらいから
参加者にはちょっとしたプレゼントがあるかも!
・16日WE ARE POSTPUNK! 持ち寄りCDJ大会 17:00〜23:00くらいまで
ゲストDJ、千原 航さん(予定)、他数人。飛び入り歓迎。
音を流したい方は、当日CDを持って来てください。
展示協力:Irregular Rhythm Asylum
TURNTABLE LAB TOKYO
千原 航
おやつ協力:NEO DADAKKOによるダダッコ・ケーキ(15日、16日)
ロゴデザイン:Keisuke NARITA
シンコーミュージックのサイトにわりあい詳しい内容紹介が出ております。なんて面白そうな本なんだ!
→『ポストパンク・ジェネレーション 1978-1984』サイモン・レイノルズ著 野中モモ・新井崇嗣訳
『増刊SATORU 25周年号』
2009.06.29 Monday | category:BOOK/BOOKSTORE
大人気漫画家ひうらさとる先生の漫画家生活25周年記念本。どメジャーな人気漫画家&有名人が名前を連ねつつ、「商業出版じゃこうはいかない」親密さのある充実内容になっております。そして少女漫画ファンジン『Girls' Comic At Our Best!』のsayukさんがインタビュー構成などテキスト回りでイイ仕事をしてます。これ以上ない適材適所。10代でデビューして以来ずーっと第一線、そして最新作が最大のヒット作という眩しすぎる人生航路をゆくひうら先生。ファンはもちろん、「漫画家(というか、あらゆる働く女性?)のキャリアパス」問題に興味のあるかたは読んでおくとよいのではないでしょうか。時代の空気を敏感に嗅ぎ取って女の子のための明るく楽しいエンターテイメントを送り続けてきた25年の軌跡がこの一冊に!
個人的には幻の投稿作品『恋せよ!乙女』と、それに対する「なかよし漫画スクール批評シート」の80’s感覚にやられました。こういうのもっと読みたいなあ。海野つなみ先生のパロディ漫画も素敵だったー。
あと吹いたのが、座談会で明かされた、ひうら先生が昔ロンドンでストリートライブをやってたらハウスマーティンズってバンドの人たちが「可哀想に……」みたいな感じでご飯つれてってくれた、という話!
先日ご紹介した『TWEE』#5のThe Bobby McGee'sのインタビューにもファットボーイ・スリムの面白エピソードが登場してたので、こんな無駄知識を両方知ってるの現時点で世界で私だけだろうなーって笑っちゃいました。
※えー知らない人のために解説しますと、ハウスマーティンズというのは80年代半ばに活動してたイギリスのバンド。マルクス主義とキリスト教を同時に信奉、全英No.1ヒット有り。後にビーツ・インターナショナルとビューティフル・サウス(英国では「国民的バンド」)に分裂します。ビーツ・インターナショナルの人(ノーマン・クック)は現在ファットボーイ・スリムの名で知られています。
ひうら先生の漫画には小学生の頃から「なかよし」誌上で親しんでいたのですが、10年ちょい前のウェブ黎明期にどさくさに紛れてご一緒する機会があり、ご縁が続いております。
全国で何百万部も売れて綾瀬はるか主演でドラマ化もされちゃうよな人気漫画家のプライベートプレスと発行部数わずか数十部のアンダーグラウンドフェミニストパンクのジンが肩を寄せあう、そんな店があってもいいじゃないか。
これって「ひとりの人間の脳と指先から生まれたナニかがマスな大衆とわりとダイレクトに繋がっちゃう」漫画というメディアだから生まれた事態ですよね。
□『増刊SATORU 25周年号』[Lilmag]
□『TWEE』#5 [Lilmag]
□『Girls' Comic At Our Best!』[Lilmag]
■ひうらさとる公式サイト
『ソングス・イン・ザ・キー・オブ・Z アウトサイダー・ミュージックの巨大なる宇宙』アーウィン・チュシド
2009.04.11 Saturday | category:BOOK/BOOKSTORE
アーウィン・チュシドの名著の日本版。出てから2年以上経ちますが、お問い合わせをいただいたこともあり取扱いはじめました。この本、amazonには置いてないみたいだし、復刊ドットコムに登録されたりもしていますが、絶版品切というわけでは決してございません。お近くの書店もしくはCDショップに頼めばお取り寄せ可能だと思います。気の利いた店なら。「amazonで何でもカバーできると思ったら大間違いだ!」って態度、内容に合ってるかも……。とはいえ広く読まれて欲しいので、全国の書店・図書館のみなさまは興味を持たれましたら是非取り寄せてみてください。
ポピュラーミュージック研究の基本文献として、ものすごく面白いノンフィクションとして、読み継がれていってほしい一流の仕事です。現在ほど情報が溢れて人と繋がり放題ってわけじゃない時代において何か特定の電波をキャッチして夢中になるという経験がいかに得難く尊いものだったのかを思って胸が熱くなります。でもって、現在ほど情報が溢れて人と繋がり放題の時代によりによってLilmagをチェックしていて、この本に出会ってしまうのも同じように感動的なこと。
●IRWIN CHUSID [ラジオ局WFMU内のDJ紹介ページ]
●SONGS IN THE KEY OF Z: THE CURIOUS UNIVERSE OF OUTSIDER MUSIC [本の公式サイト]
□『ソングス・イン・ザ・キー・オブ・Z アウトサイダー・ミュージックの巨大なる宇宙』 [Lilmag store]
TV BROSで手芸特集
2008.10.12 Sunday | category:BOOK/BOOKSTORE
アクセス解析を眺めて、最近「へんなあみもの」で検索してこのブログにいらっしゃるかたが急に増えたな〜と思っていたら、いま出ているテレビブロスで203gowさんが紹介されていたのですね。手芸とプラモ特集。203gowさんによる海女さんのすばらしさを再確認しました!
●TV Bros.
203gowさんのオフィシャルサイトはこちら。●へんなあみもの〜編み師☆203gow
昨年の個展レポートはこちらです。
□「へんなあみもの」展 203gow [Lilmag blog]
あとですね、気がついてしまったので指摘しますが、同特集の「ネットで見つけたおもしろ作品コーナー」に取り上げられてる毛糸で編んだ家。キャプションにはアメリカのアーティストとだけ書いてあるのだけど、あれはイギリスのフレディ・ロビンスさんというアーティストのものじゃないかなと思います。●Freddie Robbins
●Freddie Robins' subversive sweaters [EMBROIDERY]
●The Knitted Wedding [Cast Off]
(↑このあみもの結婚式パフォーマンス観に行けたの、ちょっと自慢)
ロンドンに住んでいた頃、クリスマスフェアで見かけたロビンスさん一家があまりにもお洒落だったので、思い切って声をかけてお宅拝見取材をさせていただきました。『世界のプリンセスルーム』(X-KNOWLEDGE)という本に載ってます。子供部屋の本だったのだけど、家全体が作品!というべき夢のような物件で、あのときはほんと興奮しました。
案の定あの本が出てから日本のインテリア雑誌・書籍にたびたび取り上げられてるみたいで、写真にうつる娘さんの姿に「大きくなったな〜(私が取材したときはハイハイしてたのに……)」と立ち読みしつつ目を細めたりしています。
フレディさんの作品は当店で取扱いしてたけど売切れてしまったジン『knitknit』の、当店では取り扱っていない書籍版でも見ることができますよ。あの本は『Slave to the Needles』(当店取扱中)もknitta(『Make:Japan』vol.5に紹介記事掲載)も載っていて、新世代ニット本最高峰だと私個人は思ってます。お値段もハードカバーの立派な本にしてはお手頃。おすすめです。●KnitKnit
●KnitKnit: Profiles and Projects from Knitting's New Wave(書籍)
Make: Japan Vol.5
2008.09.25 Thursday | category:BOOK/BOOKSTORE
オライリー社の季刊雑誌『Make:』。日本では、オリジナル版から選ばれた記事の翻訳に独自編集の記事を加えたムックが年に2回刊行されています。説明に困るのだけれど、個人化するテクノロジーとものづくりの雑誌、とでも言いますか。びっくりするようなものを個人で作っちゃう。夢と驚きのある本です。
『Make:』日本版 vol.5は本日発売。特集は「OPTICS ー 「見る」ことの不思議」と「MAGIC TRICKS ー 作ることで知る手品の秘密」。
加えて、『Make:』よりもソフトで審美的な手づくりを扱っている(女性向け、と言ってしまえば話は早いがそうは言いたくないのがLilmag)2006年創刊の姉妹誌『Craft:』が、雑誌内雑誌として本邦初登場。
私は『Craft:』の記事の翻訳を担当させていただきました。カーラ・シンクレア編集長による創刊の辞と、ニット・グラフィティ集団Knitta, please!の紹介と、草の根クラフトサークル活動(Craft mafiaとChurch of Craft)レポートの3本。
お話をいただいて、記事の選定の段階から意見を出させていただきました(定期購読しててよかった!)。「作品と技術の紹介」だけじゃなくて、ストリート感というかコミュニティ意識が伝わる記事を入れとくといいんじゃないかなー、とかなんとか。人間って愚かだなあとため息が出るどころか吐き気めまい頭痛で心ある人から順に倒れていくような21世紀にあって、ひとつ希望が持てる動きがオープンソース運動、そしてそれを含むDIYの広がり。そう信じたいから、そこのところを果敢に切りひらいてる超かっこいい雑誌に絡むことができて光栄です。
最近はコンビニに行くとパリスだとかアンジーだとかアメリカの有名人の一挙一動を追いかけるセレブゴシップ雑誌がいくつも並んでいて驚いちゃうのだけど、いまのアメリカの豊かさ最先端はそっちじゃなくてこっちでしょ。富めるアメリカの新しいノブレス・オブリージュみたいなものを感じますね。
フェイムとグラマー、は、違うかもしれないけど、チャームに関しては最高よ。
版元がオライリー社ということもあり、たいていコンピューター本の棚に置かれてます。『芸術新潮』とか『ku:nel』とかと並んでるといいと思うんだけど。あと全国のホームセンターと学校図書館に配本されたらみんな幸せになれると思うなあ。
たぶんLilmagでも買えるようになりますがいまのところ入荷待ち。ひとまずお知らせしておきます。
●Make Vol.5発売!(サンプルPDF公開)[Make: Japan]
●Craft:
●Make:
小玉ユキ『坂道のアポロン』1巻
2008.04.27 Sunday | category:BOOK/BOOKSTORE
アクセス解析の結果を見たら、「小玉ユキ」「坂道のアポロン」で検索してこのブログにいらしている方がたくさん。そう、この週末、小玉ユキ先生はじめての続きもの作品『坂道のアポロン』第1巻が刊行されました。1冊目の単行本からのファンとしては、新しい本が刊行されるたびに世間の認知度がひとまわりずつ大きく育っていくのを感じられて嬉しい限り。
私も金曜日のお昼、歯医者の帰りに中野坂上の文教堂を覗いてレジ前漫画新刊コーナーに1冊あるのを確認。このあたりのIT企業とかのOLさんで、休み時間か帰りにコレ買うのが今日の楽しみ、って人がいたら悪いなー、と思ってその場は遠慮。そのあと渋谷のブックファーストに行ったら見あたらなかったので焦ったけど、TSUTAYA地下にはいっぱい積まれてたから無事捕獲できました。
今回、表紙の薫くん(薫くん!)の学ラン美少年っぷりと絶妙にミもフタもない三浦しをんさんの帯が「女性向け」フィーリングを醸し出していて、実際それはそうなのだけど、そこは小玉さんですから節度ある感じで。清く美しい青春物語が幕を開けていますよ。
そしてこの作品、××ものでもあるのです。××が何であるか、書いたほうが「読んでみようかな」と思うかたは増えると思うのだけれど、知らずに読んで「キター!」という高揚を味わっていただきたいから黙っておきます。私は第3話、連載で読んでギャー! ってなりました。気になってる人はネタバレされる前に読んだほうがいいわよ。と書いてから帯でネタバレてるのに気づいた。やっぱり漫画はできれば雑誌連載で読みたいものですね。
1月には初期短編集その1『マンゴーの涙』も出たのでした。5月にはその2『Beautiful Sunset』が発売予定。最初の一冊目に読むのはやっぱり『光の海』をおすすめしますが、初期作品もセンスいいです。これほどの人でも掲載誌の連続休刊に見舞われてしばらく描く場が与えられなかったっていうのがすなわち不景気ってことか! と。企業に新人教育の余裕がない/上が詰まっててなかなかポストが与えられない。ほんと描き続けてくれて良かったですよね。
そういうことを思うと、扶桑社の新創刊少女漫画誌『マリカ』には是非頑張っていただきたいです。
関連エントリ:
□『chain book 初恋』と小玉ユキさんのこと
人魚サイン自慢。
□『羽衣ミシン』刊行おめでとうフェア
フェア終了済みですが『羽衣』小ネタなど。
小玉さんとマサキノリゴさんが昔作った創作同人誌『chain book 初恋』、現在品切中ですが再入荷の予定です。次が最後の入荷になりそう。あと、なぎ食堂にはまだ2冊残ってます。
□『chain book 初恋』@Lilmag
●小玉ユキ公式サイト silo
本と書店のニュース
2008.04.25 Friday | category:BOOK/BOOKSTORE
全国に40店舗近くを展開している書店大手の旭屋書店(本社大阪市)が、銀座店(東京都中央区)と水道橋店(同千代田区)を閉店することが16日までに分かった。銀座店は25日夕方で営業を終える。水道橋店は6月下旬に閉店する予定。銀座なんてお金持ってる人がたくさんいる場所じゃないのか。いまお金持ってるひとはamazonでクリックなのか。そういえば、と思って確認したところ、イエナ洋書店がなくなったのは2002年1月。
●旭屋書店2店舗閉店へ…銀座店42年の歴史に幕、水道橋店も@SANSPO.COM
あそこの旭屋は、しょっちゅうは行かないけど(銀座なら教文館を利用することが多いから)、あの場所に路面であるのが嬉しい店でしたよね。昔、都営浅草線沿線の住人だったころは、映画観て月光荘ひやかして懐に余裕があればWESTでお茶して帰りに旭屋覗く、なんて銀ブラをしてました。
一応こっちのニュースにもリンク。
●任天堂栄えて本屋潰れる 旭屋書店閉店の衝撃度
見出しがあざとい。任天堂はほんとに理由の一部の一部でしかないから……。
●「ひなぎく」と「海月書林実店舗」閉店のおしらせ@海月書林実店舗
9月23日に閉店だそうです。山小屋っぽくていい雰囲気だったのに残念ですね。
●雑誌「アイデア」トーク@藝大@mu
芸大でこんな授業が行われてるんだー。『エクス・ポ』のお話など。
BOOKMARK NAGOYA/my room is full of zines
2008.02.12 Tuesday | category:BOOK/BOOKSTORE
BOOKMARK NAGOYA(ブックマークナゴヤ大書店も小さな書店も古書店も書店じゃない何かも、たくさんの団体・個人が参加する名古屋のイベント。これとか2006年にはじまった福岡のBOOKOKAとか、大手も中小も異業種も連携して街ぐるみで盛り上げてる感じが新鮮。東京は広いし、「人が多すぎて深く知り合えない」傾向があると思うからちょっぴり羨ましい。まあ実際に小さな町に住んでみたら「どこ行っても同じ顔ばっかりで飽きた!」とか言い出すに決まってるけど……。そういえば大学生の頃、地方出身の子の語る「高校のときたまり場になってる古着屋さんがあってー」みたいな話を聞くたび、「もし私が地方都市に住んでいたらそういう輪に入れてもらえていただろうか……もらえてなかったら悲惨だなあ」と羨ましいのと怖いのが入り交じる想像をしてました。東京に住んでいたから趣味の合う友達がいなくてもひとりで映画観てCDレンタルして立ち読みして放課後の時間は潰れたけれど、書店が1軒に映画館が1つ、もしくはゼロのところに住んでいて友達ができなかったら……。世を呪ってそうです。私の10代はネットも携帯もなかった時代です、ちなみに。
2008.02.09〜03.02
「BOOKMARK NAGOYA」は、”本と街の魅力を再発見しよう”を合言葉に、このたび第一回目をたちあげることになりました。
期間中は、名古屋を中心とした書店、古書店、雑貨屋、カフェ等を舞台に、本にまつわる様々なイベントやフェアが催されます。
http://www.bookmark-ngy.com/
さておき、BOOKMARK NAGOYAのガイド&マップも兼ねたミニマガジン「SCHOP(スコップ)」2008 winter issueではたくさんの書店さんの声が紹介されています。大橋裕之さんの新連載も開始。最近名古屋に行った人が持ってきてくれたのだけれど、これは嬉しいおみやげでした。書店トークに目のない人はどこかで拾うか取り寄せるといいですよ。
●SCHOP
気になるイベントもたくさんあります。当店としてはやはりこれ。
出展者いっぱいで楽しそう!「my room is full of zines」展
- exhibition of zine culture -
@YEBISU ART LABO
2008/02/014(thu)-02/26(tue)
90年代、米西海岸のスケーターたちによって誕生したZINEカルチャー。自分が表現したいもの〈写真やドローイング、詩など〉をコピーにかけてホッチキスでとめた冊子を、ギャラリーや本屋などに自分たちの手で流通させるというD.I.Y. 精神溢れるカルチャーです。
今回の展示では、国内外、様々なアーティストによるZINEを展示、販売します。
出展者:
塩田正幸/平野太呂/YURI SHIBUYA/PAI/黒緑LESS/KOOMI KIM/小笠原真紀/江口宏志(UTRECHT)/numabooks/角谷慶(SKKY)/西舘朋央/TAKESI ABE/YUTAKA"KGWS"KOBAYASHI/YOHEI FUJIKASA/IPPEI MATSUI/YOH NAGAO/MASAHIKO TOKITA/fani/菊地和広/STOMACHACHE./AYA MUTO(Rain or Shine)/伊藤洋子/DROCIE/CHO-CHAN/A Delicate Relaton You & Me./MASUKUNI MASUDA/TOMOYA FUKUSHIMA/KAHO/IxDxE/Lullatone/Yuta Sakakibara/MASDA(MHRT)ゴトウシンミ(MHRT)/サルモネラ/ADAM/小林亮/松尾思樹/丹羽良徳/ゴロゥ/梨本由花/早川慶/松丸愛美/rk courier tokyo/ぐっちゃん/宮田篤/田中友紀/伊藤里佳/connie eats the books/PEACOCK/ミズノケイタ/太田昌宏/天野貴子/長嶋浩/伊藤幸/水野直樹/清水陽子/ 阿部喜悦/四十物義輝/oni / 熊谷孝典/池田敏彦/ 大山エンリコイサム and more...
http://www.artlabo.net/
でも「90年代、米西海岸のスケーターたちによって誕生した」っていうのはあまりにも狭すぎですよ、と老婆心ながら指摘しておきたい。俺は西海岸スケート・カルチャーの影響を受けたんや! というのはアリだけど、誕生はしてないと思うなあ。もっと大きな歴史の流れに繋がりたい。
Wikipedia英語版の、ZINEの歴史を説明するのに活版印刷の発明そしてトマス・ペインの『コモン・センス』(18世紀!)からはじめられてるところ、英語圏の愛せる部分だと思います。
●Zine - Wikipedia, the free encyclopedia
草思社が民事再生法適用申請
2008.01.10 Thursday | category:BOOK/BOOKSTORE
●草思社、民事再生へ@新文化
●草思社が民事再生法適用申請 負債総額22億5千万円@朝日新聞
●草思社
なんとまあ。本当に売れてそうなベストセラーもたくさん抱えているのにね。
谷川俊太郎・堀内誠一の『マザー・グースのうた』と78年の『きいちのぬりえ』復刻版は、私の子ども時代、いつも取り出せる場所にあった忘れられないタイトルです。ちなみに70年代の「きいちのぬりえ」リバイバルのきっかけを作ったのは、74年に文化屋雑貨店を開いた長谷川義太郎だそう。
参照:
●文化屋雑貨店@高橋靖子の「千駄ヶ谷スタイリスト日記」
●ぬりえ美術館5周年企画 8月〜10月合併号 (1)@ぬりえ美術館
あとあれだ、親の本棚から抜き取って私物化した『チープ・シック』! いまでも気の利いた書店ならたいてい置いてる定番アイテム。イヴ・サンローランの『おてんばルル』とか、アートディレクターのジャン=ポール・グウドとか、この本で覚えた。ロンドンで「おしゃれガールのお部屋拝見」取材をしたとき、古着屋で声かけた店員女子のお部屋にこれの原書とアップデート版(欲しいのだけど古書価格高くて買えてない!)があって興奮しました。
『地球の上に生きる』と、その後に出た同著者のぺらぺらの絵本(カタログに載ってない……)も好きでした。ジョン・ウォーターズ主義者としてヒッピー本をほめるのはうしろめたいけれど(笑)、これは夢があっていい本ですよ。ああいう生活してみたい、一週間ぐらいなら。長らく品切だった続編『新版 太陽とともに生きる』もおととし復刊され、著者のひとのCDがem recordsから再発されて来日したりしてましたね。CD再発を知って日本はすごい国だなー、とびっくりした覚えがある。
●"Music from "Living On The Earth" Alicia Bay Laurel/アリシア・ベイ・ローレル
70年代の本の話ばかりになるのは、当時、母が草思社でバイトしてたから。いまは江戸川橋だけど、その頃の草思社は原宿にありました。住所は千駄ヶ谷かな。
私は保育園に預けられていて、お迎えが来るのはたいてい外が暗くなってから、しばしばいちばん最後だったりして、でもひとり遊びはもとより慣れてるし先生は他の子にないしょで職員室の棚にしまってあるおまんじゅうをくれたりしたから、とりたてて不満もなくそういうものだと思ってた。大人になって、先生ごめん早く帰りたかったでしょ、とは思う(残業手当ちゃんと出てたよね、区立だから)。
母に堀内誠一さんのお宅に原稿を取りに行った話などを聞いて、もし私が親の世代に生まれていたらそういう面白いことがありそうなところに絡んでいけてたかしら、いま同時代で絡んでいけてるかしら、私は基本なまけもので引っ込み思案だからなー自信ないなーと思っていましたが、最近は身近に面白人物がごろごろしてるので、70年代生まれとして自分はそれなりに面白い選択をしてきたのではないかと考えられるようになりました。誰にでも通じるマネーメイカーとガンガン仕事ができる環境も能力もないけど、90年代、ネットで贅沢に無駄遣いされた若い才能のことは知ってる。
今年は73世代の逆襲がはじまりますよ、きっと。
氷河期の就職戦線で私のように討ち死にしたみんなも、勝ち抜いたみんなも、商業誌でも非商業誌でも面白い本つくっていきましょう。
草思社あんまり関係ない話でした。
唐突に同世代への呼びかけになるのは、お正月に『東京の編集』(編・著:菅付雅信 ピエブックス)を読んでサブカルチャーの黄昏について思ったからでもあります。この項続く、かもしれないけどたぶん続かない。
●草思社が民事再生法適用申請 負債総額22億5千万円@朝日新聞
●草思社
なんとまあ。本当に売れてそうなベストセラーもたくさん抱えているのにね。
谷川俊太郎・堀内誠一の『マザー・グースのうた』と78年の『きいちのぬりえ』復刻版は、私の子ども時代、いつも取り出せる場所にあった忘れられないタイトルです。ちなみに70年代の「きいちのぬりえ」リバイバルのきっかけを作ったのは、74年に文化屋雑貨店を開いた長谷川義太郎だそう。
参照:
●文化屋雑貨店@高橋靖子の「千駄ヶ谷スタイリスト日記」
●ぬりえ美術館5周年企画 8月〜10月合併号 (1)@ぬりえ美術館
あとあれだ、親の本棚から抜き取って私物化した『チープ・シック』! いまでも気の利いた書店ならたいてい置いてる定番アイテム。イヴ・サンローランの『おてんばルル』とか、アートディレクターのジャン=ポール・グウドとか、この本で覚えた。ロンドンで「おしゃれガールのお部屋拝見」取材をしたとき、古着屋で声かけた店員女子のお部屋にこれの原書とアップデート版(欲しいのだけど古書価格高くて買えてない!)があって興奮しました。
『地球の上に生きる』と、その後に出た同著者のぺらぺらの絵本(カタログに載ってない……)も好きでした。ジョン・ウォーターズ主義者としてヒッピー本をほめるのはうしろめたいけれど(笑)、これは夢があっていい本ですよ。ああいう生活してみたい、一週間ぐらいなら。長らく品切だった続編『新版 太陽とともに生きる』もおととし復刊され、著者のひとのCDがem recordsから再発されて来日したりしてましたね。CD再発を知って日本はすごい国だなー、とびっくりした覚えがある。●"Music from "Living On The Earth" Alicia Bay Laurel/アリシア・ベイ・ローレル
70年代の本の話ばかりになるのは、当時、母が草思社でバイトしてたから。いまは江戸川橋だけど、その頃の草思社は原宿にありました。住所は千駄ヶ谷かな。
私は保育園に預けられていて、お迎えが来るのはたいてい外が暗くなってから、しばしばいちばん最後だったりして、でもひとり遊びはもとより慣れてるし先生は他の子にないしょで職員室の棚にしまってあるおまんじゅうをくれたりしたから、とりたてて不満もなくそういうものだと思ってた。大人になって、先生ごめん早く帰りたかったでしょ、とは思う(残業手当ちゃんと出てたよね、区立だから)。
母に堀内誠一さんのお宅に原稿を取りに行った話などを聞いて、もし私が親の世代に生まれていたらそういう面白いことがありそうなところに絡んでいけてたかしら、いま同時代で絡んでいけてるかしら、私は基本なまけもので引っ込み思案だからなー自信ないなーと思っていましたが、最近は身近に面白人物がごろごろしてるので、70年代生まれとして自分はそれなりに面白い選択をしてきたのではないかと考えられるようになりました。誰にでも通じるマネーメイカーとガンガン仕事ができる環境も能力もないけど、90年代、ネットで贅沢に無駄遣いされた若い才能のことは知ってる。
今年は73世代の逆襲がはじまりますよ、きっと。
氷河期の就職戦線で私のように討ち死にしたみんなも、勝ち抜いたみんなも、商業誌でも非商業誌でも面白い本つくっていきましょう。
草思社あんまり関係ない話でした。
唐突に同世代への呼びかけになるのは、お正月に『東京の編集』(編・著:菅付雅信 ピエブックス)を読んでサブカルチャーの黄昏について思ったからでもあります。この項続く、かもしれないけどたぶん続かない。
新風舎が民事再生法の適用を申請
2008.01.07 Monday | category:BOOK/BOOKSTORE
本日の自費出版ニュースということで一応。
●新風舎が民事再生法の適用を申請 書籍制作は継続@asahi.com
●新風舎
お金がある人はどんどん払えばいいし、あるところからはどんどん取ればいいと思います。双方が幸せならば詐欺じゃない。新風舎は面白い本も出していたに違いないです。でも、話を聞く限り、単純に知識や知恵や観察眼がないばっかりに無駄にカモられてる人の割合が大きかったのではないかと推測されます。新風舎で本を出した人の体験談をネットで読んでいると、「どうせ素人の本なんて一般書店での扱いは悪いに決まってるのだから、そのお金で自主制作して独自に流通させればどれだけのことができるか……」と思うことが多かったなあ。
現行の出版流通システムが大手に甘く中小出版社や新規参入に厳しいからこういう商売が出てくるわけで。
『日本でいちばん小さな出版社』(佃由美子・晶文社)という本によれば、平成14年に取次口座を開設しようとしたら、「有限会社はダメ、キャッシュを千五百万用意しろ」と言われたそうです。それを準備して通してみせる実業家的才能と面白い本を作る才能は別な気がする。気の利いた人ならできるのかもしれないし、それぞれ得意な人どうしが組めばいいわけだけれど、もっと別のバランスで成立するポイントがきっとあるはず。
ISBNは便利だが、それって「みかじめ料」を払っているってことではないのか、と疑う視点を忘れないでいたいなあとLilmagは考えています。
●新風舎が民事再生法の適用を申請 書籍制作は継続@asahi.com
●新風舎
お金がある人はどんどん払えばいいし、あるところからはどんどん取ればいいと思います。双方が幸せならば詐欺じゃない。新風舎は面白い本も出していたに違いないです。でも、話を聞く限り、単純に知識や知恵や観察眼がないばっかりに無駄にカモられてる人の割合が大きかったのではないかと推測されます。新風舎で本を出した人の体験談をネットで読んでいると、「どうせ素人の本なんて一般書店での扱いは悪いに決まってるのだから、そのお金で自主制作して独自に流通させればどれだけのことができるか……」と思うことが多かったなあ。
現行の出版流通システムが大手に甘く中小出版社や新規参入に厳しいからこういう商売が出てくるわけで。
『日本でいちばん小さな出版社』(佃由美子・晶文社)という本によれば、平成14年に取次口座を開設しようとしたら、「有限会社はダメ、キャッシュを千五百万用意しろ」と言われたそうです。それを準備して通してみせる実業家的才能と面白い本を作る才能は別な気がする。気の利いた人ならできるのかもしれないし、それぞれ得意な人どうしが組めばいいわけだけれど、もっと別のバランスで成立するポイントがきっとあるはず。
ISBNは便利だが、それって「みかじめ料」を払っているってことではないのか、と疑う視点を忘れないでいたいなあとLilmagは考えています。
三省堂本店に「地方・小出版コーナー」/ロンドンの場合
2007.12.08 Saturday | category:BOOK/BOOKSTORE
先月閉店した神保町・すずらん通りの書肆アクセスを引き継ぐかたちで、三省堂本店(裏口がすずらん通りに面してる)に地方・小出版コーナーが新設されたそうです。
独立店が大きな店の1コーナーとして吸収合併される例として、思い出されるのは "ロンドンの神保町"(規模は日本の神保町よりずっと小さいですけどね)チャリング・クロス・ロードのFoylesの例。
フォイルズは1903年創業の歴史ある独立系書店。ロンドンの大書店のなかでは最も古風な経営ぶりで知られていました。たとえば、雑誌は置かない、支店は出さない、など。しかし1999年にエキセントリックな性格で有名だったオーナーのクリスティーナ・フォイルズが亡くなって以来、少しずつ今風の店づくりに歩み寄るようになりました。とはいえ、私がロンドンに住んでいた2年前でも30年前40年前の本が平気で並んでたり、レジで本読んでる店員に本の場所を聞いたら「今日ぼくメガネ忘れたからあのあたり自分で探して〜」と言われたり(そして彼は読書を続けるという……あまりにあっけらかんとしてるので怒る気も失せた)、大きな書店ではありえない魔窟感がうっすらと空間を満たしていて、それを完全支持することはできないけれど、どこも同じベストセラーしか置いていない画一的なチェーン店よりは居心地がいいのでよく足を運んでいました。
クリスティーナは "ミス・フォイル" と呼ばれることを好んでいて、「80代になっても一日少なくとも一冊の本を読み、シャンパンしか飲まず、料理をしようとすらしなかった」とのこと(The Guardianの死亡記事より)。彼女はフォイルズの建物の最上階にある豪華マンションに住んでいて、求人に応募した人はそこで面接を受けるんだって。3枚目のアルバムが出るまでフォイルズでバイトしてた(そしてスターになれると思って辞めたけどそう簡単にはいかなかった!)というモーマスも「あの人は変わってる」と言ってました。
彼女の奇人エピソードと華麗な交友録は面白くないわけがないのですが、ここはひとまず独立店吸収の話に戻します。
かつて、フォイルズと同じ通りの向かい側にSilver Moonというフェミニスト書店がありまして、2001年11月に閉店したあと、翌年にフォイルズの1コーナーとして営業をはじめました。創業は1984年。創業者のスー・バターワースさんは、2004年にがんでこの世を去っています。享年53歳(死亡記事@The Guardian/The Independent)。
まだ無事に営業してるのかなあ、と思っていまフォイルズのサイトを見てみたら、Silver Moonのコーナーは見当たらなかったけど、ゲイ&レスビアン部門のアドレスがsilvermoon@foyles.co.ukになってました。「シルヴァームーンは長いこと女性の分野を扱っていましたが、現在はゲイ関連にも力を入れております」だって(→ここ)。それで以前と同じぐらい女性の話題にも力を入れているのならいいのだけど、どうもそうではなさそうな……。以前「女性」コーナーだった棚の何割か(ほとんどかも)が「同性愛(男女)」になったってことですよね、つまり。
Ray's Jazz Shopという、かつてコヴェントガーデンのほうにあったジャズのレコード屋もフォイルズの一角に収まっています。カフェも併設して、ときどき小さなインストアライヴをやっていました。こちらはフォイルズのサイトの1コーナーになっているし、まだ続いているようです。
画像は創業百年記念本。
●Foyles
Silver Moonで検索して見つけたサイト
●London R.I.P.
書肆アクセスは上記の通り閉店いたしましたが、近くの三省堂書店神保町本店4Fに地方・小出版コーナーがオープンしています。同コーナーでは、地方・小出版流通センター扱いの新刊全点のほか、地域別に書籍を展示販売しています。タウン誌や趣味の雑誌なども取り揃え、約3千点ほどの規模です。とのこと。三省堂書店のブログに写真が出ています。(→神保町本店4階に地方出版・小出版物コーナーが開設されました!)三省堂は書店員ブログに力を入れてますよね。神田本店なんてフロアごとに用意されているし。主に本店2Fの漫画情報を参考にさせていただいてます。あとひとつ、人形写真日記になってて笑えるというか和む店舗があったのだけど、どこだったっけ……。
三省堂書店 神保町本店に「地方・小出版コーナー」がオープン!@書肆アクセス
独立店が大きな店の1コーナーとして吸収合併される例として、思い出されるのは "ロンドンの神保町"(規模は日本の神保町よりずっと小さいですけどね)チャリング・クロス・ロードのFoylesの例。フォイルズは1903年創業の歴史ある独立系書店。ロンドンの大書店のなかでは最も古風な経営ぶりで知られていました。たとえば、雑誌は置かない、支店は出さない、など。しかし1999年にエキセントリックな性格で有名だったオーナーのクリスティーナ・フォイルズが亡くなって以来、少しずつ今風の店づくりに歩み寄るようになりました。とはいえ、私がロンドンに住んでいた2年前でも30年前40年前の本が平気で並んでたり、レジで本読んでる店員に本の場所を聞いたら「今日ぼくメガネ忘れたからあのあたり自分で探して〜」と言われたり(そして彼は読書を続けるという……あまりにあっけらかんとしてるので怒る気も失せた)、大きな書店ではありえない魔窟感がうっすらと空間を満たしていて、それを完全支持することはできないけれど、どこも同じベストセラーしか置いていない画一的なチェーン店よりは居心地がいいのでよく足を運んでいました。
クリスティーナは "ミス・フォイル" と呼ばれることを好んでいて、「80代になっても一日少なくとも一冊の本を読み、シャンパンしか飲まず、料理をしようとすらしなかった」とのこと(The Guardianの死亡記事より)。彼女はフォイルズの建物の最上階にある豪華マンションに住んでいて、求人に応募した人はそこで面接を受けるんだって。3枚目のアルバムが出るまでフォイルズでバイトしてた(そしてスターになれると思って辞めたけどそう簡単にはいかなかった!)というモーマスも「あの人は変わってる」と言ってました。
彼女の奇人エピソードと華麗な交友録は面白くないわけがないのですが、ここはひとまず独立店吸収の話に戻します。
かつて、フォイルズと同じ通りの向かい側にSilver Moonというフェミニスト書店がありまして、2001年11月に閉店したあと、翌年にフォイルズの1コーナーとして営業をはじめました。創業は1984年。創業者のスー・バターワースさんは、2004年にがんでこの世を去っています。享年53歳(死亡記事@The Guardian/The Independent)。
まだ無事に営業してるのかなあ、と思っていまフォイルズのサイトを見てみたら、Silver Moonのコーナーは見当たらなかったけど、ゲイ&レスビアン部門のアドレスがsilvermoon@foyles.co.ukになってました。「シルヴァームーンは長いこと女性の分野を扱っていましたが、現在はゲイ関連にも力を入れております」だって(→ここ)。それで以前と同じぐらい女性の話題にも力を入れているのならいいのだけど、どうもそうではなさそうな……。以前「女性」コーナーだった棚の何割か(ほとんどかも)が「同性愛(男女)」になったってことですよね、つまり。
Ray's Jazz Shopという、かつてコヴェントガーデンのほうにあったジャズのレコード屋もフォイルズの一角に収まっています。カフェも併設して、ときどき小さなインストアライヴをやっていました。こちらはフォイルズのサイトの1コーナーになっているし、まだ続いているようです。
画像は創業百年記念本。
●Foyles
Silver Moonで検索して見つけたサイト
●London R.I.P.
『このマンガがすごい! 2008』
2007.12.06 Thursday | category:BOOK/BOOKSTORE
気がつけば師走、各方面で一年の総括が行われる季節です。というわけで今年も『このマンガがすごい! 2008』(宝島社)が刊行されました。●『このマンガがすごい! 2008』@宝島社
編集者、ライター、大学漫研、書店員など、76名の漫画好きが回答したアンケートを集計したもの。対象となるのは、基本的に前年の10月から今年の9月末までに単行本が刊行された作品。
ここで、当店でもたびたびプッシュしてきた小玉ユキ先生の2作品、『光の海』と『羽衣ミシン』が共にベスト20にランクインしています。さらに小玉先生と岩本ナオ先生の対談が収録されているので、ファンは要チェックですよ。
初めての単行本になる短編集『光の海』が10位、初連載作品の『羽衣ミシン』が14位。作家別総合得点ランキングでは椎名軽穂、吉田秋生、柴田ヨクサル、よしながふみ、管野文に次いで6位(5位とは1点差)。少女漫画全体の復権を予感させる快挙ではないでしょうか。掲載誌の相次ぐ休刊(CUTiE comic、Vanilla)にもめげず描き続けてくれたことを感謝したい、氷河期世代の星といえましょう。来年1月に刊行される予定の初期短編集が楽しみです。
「flowers」で連載中の『坂道のアポロン』も、直球ど真ん中を確かな技術で流麗に、でもフレッシュ! という夢のような世界が展開中。今月すごかった……。
●小玉ユキ公式サイト silo
「このマンガがすごい!」はオトコ編・オンナ編の2部門に分かれています。青年誌に分類される「モーニング」の読者の40%は女性だというこの時代、男女で分けることに意味があるのかなあ、と思ってしまいますが、熱心な少女漫画ファンの知人が、そもそも青年・少年漫画に較べて少女漫画の部数はずっと少ないし、性別で分けないと男性受けする少女漫画ばかりがピックアップされることになるから、別部門にしたほうがいい作品がこぼれない、と言っていました。なるほどそういうものか……。
当店取扱中の少女漫画批評誌『Girls' Comic At Our Best!』vol.1で特集されている石田拓実とろびこは、ランキング上位には見当たりません。改めて同人誌でやる必然性が強く感じられるというものです。ろびこ先生は来年、初連載で話題をさらうに違いない期待の新人。私も大好きです。川原和子さんも「anan」のいま出ているのの前の号で紹介していましたよ(参照)。
●ろびこにっき
小玉ユキさんとマサキノリゴさん主宰の同人誌『chain book 初恋』
少女漫画批評のニューウェイヴ『Girls' Comic at Our Best!』
『君に届け』担当編集者さんもお気に入り(ほんとほんと)の「よっちの本」シリーズ
Lilmagで取扱中ですのでよろしくお願い致します。
過去の関連記事@Lilmag blog:
『chain book 初恋』と小玉ユキさんのこと
『羽衣ミシン』刊行おめでとうフェア
小玉ユキ新連載『坂道のアポロン』と最近の「flowers」について
かえる目フェア@青山ブックセンター本店
2007.11.08 Thursday | category:BOOK/BOOKSTORE
細馬宏通さんの著書(特別に面白い本ばっかりですよ)や文章が掲載されている雑誌、小笠原鳥類さんの詩集(こちらもフレッシュ!)などが集まっているとのこと。いいねいいねー。
人文・思想と映画担当のかたが6月の寺フェスでかえる目に一目惚れしてしまったんですって。それでこそ大都会東京の青山ブックセンターの本店の人文・思想/映画棚の担当者。心強い限りです。
写真を送っていただいたので載せちゃいます。いつまでやっているのかは、そのうち公式サイトに載るんじゃないかな。
青山ブックセンター本店(青山)
小玉ユキ新連載『坂道のアポロン』と最近の「flowers」について
2007.09.30 Sunday | category:BOOK/BOOKSTORE
現在発売中の小学館『flowers』11月号で、小玉ユキ先生の新連載『坂道のアポロン』がはじまりました。これまで人魚、白鳥ときて今回は「岩鬼みたいな人」!(カットで葉っぱくわえてるってだけですけど)。
これまでのファンタジック設定から離れた新境地をみせてくれそうです。
表紙も小玉さん。ピンクでキラキラが主流の少女マンガ棚で、すっきりブルーが目を引きます。
小玉さんお得意の映像的な演出、美しい風景描写は雑誌の大画面でひときわ映えるので、単行本派のみなさんも見てみるといいと思います。というわけでお知らせ。
小玉さんが昔つくった同人誌『chain book 初恋』、まだ在庫ございますのでどうぞよろしくお願い致します。
『羽衣ミシン』刊行おめでとうフェア
『chain book 初恋』と小玉ユキさんのこと
『chain book 初恋』@Lilmag
小学館コミック -flowers-
最近は小玉先生と岩本ナオ先生読みたさに『flowers』買ってます。
自分で少女漫画雑誌買うのなんて、中学に入って『りぼん』『なかよし』買うの止めて以来、20年ぶりぐらいかもしれません。何故なら母が毎号『プチフラワー』、大島弓子が描いてる月は『LaLa』後に『ASUKA』、渡辺多恵子目当てで『別冊少女コミック』、佐々木倫子目当てで『花とゆめ』を買ってくる家だったから……。
それはともかく岩本先生の天狗っ娘マンガ(『町でうわさの天狗の子』)はかわゆすぎる。
今日ほど漫画雑誌がセグメント化されておらず、一冊の対象読者年齢に幅があった時代、女の子の夢と憧れ好きなものが詰まっていた80年代前半『りぼん』の世界を彷彿とさせます。あと「普通の可愛い女の子、でも実は天狗と人間のハーフで怪力だったのです……!」という設定に、小学生のころ大大大好きだった竹本泉『あおいちゃんパニック!』を思い出したり(あおいちゃんは宇宙人と人間のハーフで、重力の重い星で育ったから地球に来ると怪力になるのだ)。
もちろん岩本先生のほうが繊細な少女の世界で叙情派だけど。
岩本先生も小玉先生も、いま連載中の作品は「田舎で学ラン」という点でかぶっていて、でもこれまで人魚や白鳥の化身を描いてきた小玉先生が60年代学園ものに挑戦、不思議要素は無かった岩本先生のほうが天狗もの、というのも、現在進行形で読んでいて楽しい。
たまに載る萩尾望都先生の短編もとんでもないです。萩尾先生が超天才なんていうのはいちいち言うまでもないことだけど、最近の作品はバリエーション豊かな中高年男女キャラ表現に目を見張ります。数コマしか出てこない人も血が通っていて、漫画家ってのは登場人物ひとりひとりに芝居をつける演出家なんだなあ……と思わずため息。神楽坂の出版記念パーティも銀座の画廊のオープニングも、いかにもありそうなの。
私は同人誌の自由な世界が大好きなのだけど、それはプロがプロの仕事をしていてこそ輝くものだと考えています。大出版社の人々はその好待遇に見合ういい仕事をちゃんとして私たちを楽しませてくれないと困りますよまったく、とブツブツ言いながら探した面白漫画は、毎月『流行通信』のうしろのほうで紹介しているので、そっちもどうぞよろしくお願い致します。
長新太 ナンセンスの地平線からやってきた
2007.09.24 Monday | category:BOOK/BOOKSTORE
3分の2近く(目算)がカラーページ、レア図版も多数でウキウキの長新太案内。よく知られている絵本の仕事に加えて、ポスターや雑誌など「消えもの」原稿の一端を見ることができるのが嬉しい。編纂は、吉祥寺の絵本専門店/編集プロダクショントムズボックスの土井章史。長新太
ナンセンスの地平線からやってきた
らんぷの本シリーズ
土井章史 編
定価1,575円(本体1,500円) ISBN 978-4-309-72759-2
不世出のナンセンス絵本作家・長新太の仕事を、初期漫画やエッセイ、超レアなイラスト、そして絵本の代表作品まで集めて紹介する、ヴィジュアル版再入門。奥さまへの特別インタビューでは、その謎めいた私生活も明かされる!?
書誌情報@河出書房新社
昨年、ちひろ美術館で観た回顧展の衝撃を各所でアピールしていた甲斐あって、献本いただきました。どなたのお取りはからいか特定できていませんが……。
現在、その展示が横浜に巡回中です。
ありがとう!チョーさん 長新太展 ナノヨとにかく原画の色彩が美しすぎて愕然としました。印刷にはまだまだ進化の余地がある!
そごう美術館(横浜駅東口・そごう横浜店6階)
2007年9月8日(土)〜10月8日(月・祝) ※9月25日(火)は休館
情報@そごう美術館
私がマンガ、映画、芸術が大好きになったのは、就学年齢前に長新太の本を与えられてしまったからではないか……とすら思った。後の人生でキュンとなる要素、全部はいってる。
青山ブックセンターHMV渋谷店閉店
2007.09.02 Sunday | category:BOOK/BOOKSTORE
青山ブックセンターHMV渋谷店が閉店するそうです。
渋谷はブックファーストも10月中旬閉店が発表されているし、ハチ公口書店勢力図が大幅に書き換えられる予感。
以下、大型書店ちょっといい話(?)。
遅くまで開いているのでときどき利用する渋谷TSUTAYA地下の漫画フロア。小玉ユキ先生、岩本ナオ先生、勝田文先生、ろびこ先生の本にポップがついていて、「あら趣味が合うわね〜」と思っていたらスタッフに某先生のお友達がいるとか。
漫画の棚がなかなか充実している新宿ルミネ2ブックファースト。カルチャー誌編集が集う飲み会で同店の漫画担当さんに会ったと友達に聞いて、やっぱりそうなんだ〜と納得した。
面白い棚をつくる店員さんは情報収集してる。
これって、「東京のアドバンテージ」の例みたいな話ですよね。都会にも田舎にもそれぞれいいところと悪いところがあって、都会のいいところが何かと言ったらそれは情報の質と量。もちろん「情報」には「人」も含む。
東京の実店舗だからできる面白いことをいろいろしていって欲しいなー、と外堀から期待しております。
青山ブックセンターHMV渋谷店は2007年8月31日(金)をもって通常営業を終了とさせていただき、9月17日(月・祝)をもちまして閉店とさせていただきます。はや! 『三太』ブックフェアなど攻めてる企画をされていただけに残念です。
日頃のご愛顧、誠にありがとうございました。
9月7日(金)〜17日(月・祝)に開催する洋書売りつくしセールの準備期間といたしまして、2007年9月1日(土)〜6日(木)はHMV渋谷店は休業となります。
青山ブックセンターHMV渋谷店
渋谷はブックファーストも10月中旬閉店が発表されているし、ハチ公口書店勢力図が大幅に書き換えられる予感。
以下、大型書店ちょっといい話(?)。
遅くまで開いているのでときどき利用する渋谷TSUTAYA地下の漫画フロア。小玉ユキ先生、岩本ナオ先生、勝田文先生、ろびこ先生の本にポップがついていて、「あら趣味が合うわね〜」と思っていたらスタッフに某先生のお友達がいるとか。
漫画の棚がなかなか充実している新宿ルミネ2ブックファースト。カルチャー誌編集が集う飲み会で同店の漫画担当さんに会ったと友達に聞いて、やっぱりそうなんだ〜と納得した。
面白い棚をつくる店員さんは情報収集してる。
これって、「東京のアドバンテージ」の例みたいな話ですよね。都会にも田舎にもそれぞれいいところと悪いところがあって、都会のいいところが何かと言ったらそれは情報の質と量。もちろん「情報」には「人」も含む。
東京の実店舗だからできる面白いことをいろいろしていって欲しいなー、と外堀から期待しております。
『ユリイカ2007年7月臨時増刊号 総特集*大友良英』
2007.07.16 Monday | category:BOOK/BOOKSTORE
東京・吉祥寺を拠点に世界を飛び回る音楽家・大友良英。その活動の軌跡を辿れば、カラオケに入ってない/地上波ゴールデンタイムでかからない/レコード会社から送られてくる資料で規定の文字数を埋める雑誌では紹介されない音楽の、ざわざわと多彩な色が重なり合う世界がみえてくるはず。というわけで、現在書店に並んでいるユリイカ増刊号。Lilmag店主がいつも気にしてるかたがたが集まった一冊です(作品を託してくれているかた、 お客様、お友達、自主制作道の大先輩、などなど)。田舎の中学生が手にとって「知らない人ばっかり! なんじゃこりゃ!」なんてシチュエーションを夢想せずにはいられない。
青土社のページ
大友良英@Improvised Music from Japan
大友良英のJAMJAM日記
そんな私の妄想はともかく、ユリイカ大友特集号読者のみなさんにぜひ手にとって欲しいのが『三太』。ユリイカに寄稿している杉本拓さん、吉村光弘さん、寄稿はしていないものの文中でたびたび言及されている角田俊也さんの三人によるフリーペーパーです。最新号では角田さんがwrkの活動について書いているからグッドタイミングといえましょう。
それと、ロンドンのSound323が監修した本『BLOCKS OF CONSCIOUSNESS AND THE UNBROKEN CONTINUUM』。大友さんも3月にランダムウォーク赤坂店(東京撤退ですってね……)で開催されたブックフェア大友良英選書『JAM JAM日記、赤坂出張番外編』で紹介、 Lilmagにリンクを貼っていただきました。以下、ユリイカの目次です。


「my room is full of zines」展
長新太